解説
J.S.バッハ家の長男フリーデマンの音楽教育に使われた教材は今日にも伝わっていますが、次男エマヌエルに対しても、父が音楽の手ほどきをしたと考えられます。エマヌエルは、15歳頃からライプツィヒにて父の下で通奏低音奏者を務め、父の作品の筆写も受け持つ過程で、大バッハの作曲法を身をもって学びました。 「ソナタ ホ短調」は、1737年、23歳の作。この頃、プロイセン皇太子(後のフリードリヒ大王)の目に留まり、国王即位後には、宮廷楽団の音楽家になりました。この時期には、父もまだ創作活動を続けており、因みに大バッハの「ソナタ ホ長調 BWV 1035」が10年後の1747年作であることを思えば、エマヌエルが早くから自分の作風を確立していたことが分かります。第1楽章 Adagio 憂いに満ちた出だしから、刻々と情感の陰影が描き出され、多感様式の世界に誘います。 第2楽章 Allegro シンコペーションを多用して、イキのよい楽章。 第3楽章 Menuet 主題と2つの変奏からなる。メヌエットの主題は、跳躍が大きく、優雅で運動性に富んだ運びです。(解説・三上明子)スタッフより
特撰コーナーにて取り上げています⇒C.P.E.バッハ生誕300年「第2回 ベルリン時代T(室内楽曲)」ニュース
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