解説
尹 伊桑は韓国に生まれ、ベルリンで活躍した作曲家。日本でチェロと作曲を学んだことがあります。韓国の民主化運動の海外の指導者としても知られ、75歳を迎えた記念に日本でコンサートが開かれました。「歌楽」 は、1963年の作で、朝鮮伝統音楽の要素と西洋の前衛音楽の手法を融和させた素晴らしい作品です。「歌楽 (Garak) 」 は性格的な表情を伴う旋律のセットを意味し、仏教関係の用語のようです。曲は次の3つの部分から成ります。笛の長く伸ばされた音とピアノの衝撃的な和音が緊張感を持った空間を作りだす第1部分。錯綜した動きを見せる第2部分。静かな世界へ回帰する第3部分。楽譜は、フルートのパート譜にもピアノ・パートのガイドが書かれている高度で複雑な作品です。フルートとピアノのための現代作品のレパートリーの中で、屈指の名曲の1つに挙げられ、短い作品ですが、凝縮された美しい音空間を内蔵した曲です。(解説/三上明子)ニュース
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