解説
1915年、病魔に侵されたドビュッシーは自分自身の鎮魂歌となる「様々な楽器のための6つのソナタ」を書く構想を持ち、3曲を書き終えたところで天国に召されました。この芸術的なソナタは第2曲目に当たり、構想段階では牧歌的な『牧神の午後への前奏曲』に倣った楽器編成のオーボエ(Fl.Ob. Hp.)を考えていたようです。しかし、ヴィオラを用いたことで、この編成が規範となり、後世の作曲家達に多大な影響を及ぼしました。第1楽章「パストラル」は《ソナタ》とはいうものの、三部形式で書かれ、基本主題の牧歌はフルートとヴィオラが対話を繰り返し美しく流れます。中間部では躍動する4(5)度累積舞曲動機が優雅に戯れます。第2楽章「間奏曲」メヌエットは複合三部形式で書かれ、基本主題から生まれた優美な牧歌風旋律が4回現れ、それに挟まれ付点音符動機と32分音符の華麗な楽句が姿を変え流れます。後半のハープの流麗な分散和音楽句は天使の音楽のように美しく舞います。第3楽章「フィナーレ」は三部形式で書かれ、基本主題から派生した分散和音主題が急速に躍動します。中間部は安らぎの田園風主題が奏でられ、最後は第1楽章冒頭の牧歌主題が回帰します。スタッフより
特撰コーナーにて取り上げています⇒ドビュッシー生誕150年「第5回 フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」ニュース
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