カンタービレとプレストの楽譜に使われているフランス語
書き込まれている小節数はピアノ・スコアのもの ()はプレストでの小節数

フランス語 小節 訳・意味 フランス語 小節 訳・意味
fondu1 1 とろける様に expressif et lié2 3 表情豊かに、そしてスラー
un peu retenu 6 少しリテヌート(少し速度を緩める) hésitant 7 ためらいがちに
délicatement 9 デリケートに doux et fondu 9、26 とろける様にやわらかに(douxはドルチェに相当)
court(フェルマータ) 18-19 短い(フェルマータの意味) expressif et gracieux 19-20 表情豊かに、そして優美に
appuyé3 23 強く押す porté 33 持っていく
pressez 37 押す、速く cèdez4 38 だんだんゆるやかに(リタルダンドに相当)
très doux 40 とてもやわらかに、優しく sans hâte5 41 急がない
doux un peu à volonté 43 気の向くままに少しやわらかに      
léger 60(13) 軽く(レッジェッロに相当) retenez un peu 118(71) 少し速度を緩める
harmonieux6 139(92) 調和した chantant 165(118) 歌う
フランス語 小節 訳・意味
fondu1 1 とろける様に
expressif et lié2 3 表情豊かに、そしてスラー
un peu retenu 6 少しリテヌート(少し速度を緩める)
hésitant 7 ためらいがちに
délicatement 9 デリケートに
doux et fondu 9、26 とろける様にやわらかに(douxはドルチェに相当)
court(フェルマータ) 18-19 短い(フェルマータの意味)
expressif et gracieux 19-20 表情豊かに、そして優美に
appuyé3 23 強く押す
porté 33 持っていく
pressez 37 押す、速く
cèdez4 38 だんだんゆるやかに(リタルダンドに相当)
très doux 40 とてもやわらかに、優しく
sans hâte5 41 急がない
doux un peu à volonté 43 気の向くままに少しやわらかに
léger 60(13) 軽く(レッジェッロに相当)
retenez un peu 118(71) 少し速度を緩める
harmonieux6 139(92) 調和した
chantant 165(118) 歌う

*1【fondu】は普通トロトロにとろける場合に使う言葉(チーズフォンデュのフォンデュ)でエネスコの作品では他の曲でも普通に使われているが、少なくとも私が知る限りのフルート曲の中で他では見たことは無い。

*2【Lié】はスラーの事だがこの楽譜ではスラーが書き込まれているので音をなるべく滑らかにつなげるという意味。

*3【appuyé】は力を入れて押し下げるといった意味、pressezより強い。pressezは押す(押せ)の意味だが音楽用語としてみるとaccelerandoと考えて良い。appuyéはバシッと一発決める強い音の時に使われる事が多く、速度変化の意味ではあまり使われない。

*4【cèdez】はよく使われるがrit.やrall.よりは重さが少ない感覚がある。本来は「譲る」という意味の言葉。

*5【sans hâte】もsans pressezも「急がない」なのだがsans hâteは速度全体が上がらないようにでありsans pressezはaccelerandoを含めて速くならないようにの意味になる。古くから共通用語として使われているイタリア語表記の音楽用語の中にフランス語が補足的に使われる事でより繊細なニュアンスを示している訳だが、カゼッラのシシリエンヌとビュルレスクではこのような繊細な表現を全てイタリア語で書き込んでいる

*6【harmonieux】は言葉の上では調和の意味だが、スラーでつながったアルペジオに付いているので、より和音的な弾き方の分散和音の要求だろう。