収録内容
モーツァルト、W.A. | アンダンテ ハ長調 KV315 (285e) (DVD) | 小泉浩 |
解説
吉田雅夫先生のレッスンをこうしてビデオで見ていると、何となく自分が30年前の芸大のレッスン室にいるような錯覚を覚えます。 それは、レッスンというよりも音楽理論の講義といった感じだったのですが、今回のビデオでは、さらに話が広がり、そしてその内容がもっと緻密になっているという印象を受けます。 ときどき先生とお会いする機会があると、そのたびに断片的にいろいろなお話を聞かせて下さるのてすが、その何れもが、「最近、音楽の基本が忘れられかけている」という嘆きから始まる音楽理論の数々です。 音楽の理論書には簡単なものから専門的なものまで様々なものがありますが、ほとんどの方は何か1冊を持っておられることと思います。けれども、残念ながらそのほとんどは本棚の飾りになってしまっていることでしょう。 理論書をひもとくには、かなりの忍耐と決心が必要だからです。 私も含めて、そんな無精ものには、このピデオは最高の贈り物と言えるでしょう。 音楽的表現の性格と実際のテンポとを決めるために必要な速度表示の話とか、本当の音楽をするための半音階的半音と全音階的半音の使い分けの話とか、精神的な感動、生命力、悲しみ、喜ぴ、その他様々な情熱を表現するための倚音の話とか、音楽の悪魔といわれる三全音の話とか、一見難しそうな話が次から次へと飛び出してくるのですが、吉田先生はとても分かりやすい説明をして下さっています。 また、このアンダンテに出てくる幾つかの調に対して、C−durは単純明瞭に、G−durは田舎風に、d‐mollは真剣に、といったような面白い話もたくさん出てきます。 活字を拾って読むのとは大違いですから、是非この機会にこのビデオを皆さんの理論書の一つとしてお手元に置くようにして下さい。 フルートを吹いている小泉浩さんが、ビデオの始めと終りで、レッスン前とレッスン後の演奏を、見事に吹き分けてくれています。解説●斉藤賀雄 東京音楽大学教授 元・読売日本交響楽団フルート奏者ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。