収録内容
モーツァルト、W.A. | フルート四重奏曲 ニ長調 KV285 (DVD) | 高野成之 |
解説
ともすれば、フルートは完全にソロ楽器だと思われがちなのですが、このビデオでニコレ先生のアンサンブルのレッスンを見ていると、アンサンブルによって、普段私達が気がつかなかったことや忘れかけているようなことなどをたくさん発見することができます。 特にこのビデオのように、弦楽器とのアンサンブルにおいては、別の楽器と一緒に演奏することによって得ることの多さに驚かされます。 フルートは息を使って演奏するのですが、弦楽器は弓を使います。ニコレ先生は弓の使い方の説明を数多くしていますが、それがそのままフルートを吹くときの息の使い方に変わっていくのです。 また、このレッスンの中では、モ一ツァルトの手紙から引用した言葉がたくさん登場します。 それらは全て、モーツァルトがマンハイムでこの曲を作曲した頃からパリへ旅行している間のものなのですが、その時代にモーツァルトがどんなことを考えていたかということを探るには格好の材料となり、それが作品の性質や必然性を読み取る上で大きな支えとなっています。 「まず音楽を聴かなければならない。次に音楽を理解し、その上で音楽を感じなければならない。」 とか、「音楽を演奏するときには、その場で作曲しているような印象を与えるように。」 などの言葉を引用しながらレッスンが進められていきます。 それは最早楽器のレッスンではなく、正に音楽の聴きかた、理解のしかた、感じかたの話になっているのです。 「耳と同じくらい目も大切です。」 と、レッスンの中で何度も先生は注意をしていますが、最後にこうまとめています。 「室内楽の練習は、非常な厳格さと、考察力と、個々のテクニックが一つになったものですが、その上にファンタジーがなければなりません。お互いのコミュニケーションが必要です。決して、約束事でことを進めないようにして下さい。」解説●斉藤賀雄 東京音楽大学教授 元・読売日本交響楽団フルート奏者ニュース
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