収録内容
シューベルト、F.P. | 「しぼめる花」による序奏と変奏 D802 (DVD) | Fl.Pf | 北村薫 |
解説
ヴォルフガング・シュルツ先生は、現在最も人気のあるフルーティストの一人です。ウイーン・フィルハーモニーのソロ・フルーティストとして、アンサンブル・ウィーン・ベルリンのメンバーとして、そしてまたソリストとして、近年日本を訪れる回数が最も多いフルーティストだと思います。 これは、そのシュルツ先生が、まさにお国自慢のシューベルトのレッスンを堪能させてくれるビデオです。シューベルトの音楽は独特で、譜面は難しくないのに、どうしてもうまく表現できないということがあります。 例えば、有名な 「未完成交響曲」 というオーケストラの曲がありますが、私はこの曲で苦労をし続けています。何が違うのか未だにはっきりしませんが、とにかく吹いていて何時も自分で納得できないのです。 もっと極端に言えば、ウィンナー・ワルツがいい例かも知れません。「真似はできているような気がするけれども、どうも本物とは違うような…」 という、アレです。 ビテオの中では、かなり具体的に息の使い方などを説明していますが、結局はシューベルトの音楽をどのように捉えるかということなのでしょう。 歌曲 「美しき水車小屋の娘」 からのテーマが、「悲しいものだ」 と口で教えられても、「もっと単純にオーストリアの民謡のように」 と説明を聞いてもなかなかピンと来ないのですが、シュルツ先生がそれをちょっと吹いてくれるだけで、なるほどと納得できるのです。 けれども、いわゆるウィーンの独特な大きな音楽や大きなフレーズ、歌う部分と喜びを生き生きと感じる部分との変化など、言葉で色々説明してくれることは理解できても、その中身はもっともっと本質的で奥が深いのだということを思い知らされます。 その上、フルーティストの心理を本当に的確に掴んでいるシュルツ先生のアトバイスは見事ですし、その演奏からは数多くのことが読み取れて、大変参考になるビデオです。解説●斉藤賀雄 東京音楽大学教授 元・読売日本交響楽団フルート奏者
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