解説
ボヘミア出身のA.ライヒャはベートーヴェン (1770-1827) と同年生まれで、彼と同じケルンの選帝侯楽団 (Fl) で活躍し、後にパリ音楽院の作曲教授として名声を得、古典派様式の管楽室内楽に優れた作品を残した事で知られています。この 『フルート四重奏曲』 はF.クーラウの四重奏曲同様に最も広く演奏され、また愛好され続けてきました。技術的にも第1パート以外はさほど難しく無く、取り組み易い事が理由ですが、もう一つの理由はライヒャが若いハンブルク時代 (1796-8) に作曲した作品であり、新鮮で美しく爽やかな曲である事に加え典型的な古典様式でまとまりのある構成だからと考えられます。第1楽章は爽やかな主題のソナタ第2楽章は牧歌風の3部形式第3楽章メヌエットは風変わりな 2/4 拍子のトリオ付き終楽章は軽快なロンドです。Amadeus 版の楽譜は当時のパリで出版された版に基づ く 《原典版》 で、そのタイトルには一般的に呼ばれている 《Sinfonico》 の文字はありません。(解説/佐野悦郎)ニュース
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