解説
ライヒャは1811年頃から1820年頃の間に木管五重奏曲 (OP.88, 91, 99, 100) 全24曲を出版し、当時の楽譜(Costallat)の裏表紙一面にはライヒャが指示した各楽章の「メトロノーム速度表」が印刷され、現在の楽譜にも反映されています(métron. de Reicha)。この作品は構築力のある全4楽章構成で書かれ、第1楽章はソナタ形式で、厳かな前奏 2/4 [D] で始まり、最後にはフルートが華麗なカデンツァを披露します。第1主題 6/8 [D] は躍動する伴奏リズム上に急速な音階動機が勇壮に突進し、第2主題 [A] は分散和音動機が活発に躍動し、各楽器にリレーされます。第2楽章はソナタ形式で、アダージョ 3/4 の第1主題 [Es] は分散和音主題がリレーされ、第2主題 [B] は繊細な旋律が優美に舞います。第3楽章メヌエット 3/4 [D] は弱起の断片動機が各楽器に受け継がれる急速なスケルツォ舞曲で、このアンサンブル妙技は圧巻です。トリオ [G] は下行分散和音動機が各楽器に模倣されます。第4楽章 フィナーレはロンド形式の性格を持つ「5部」で構成され、冒頭の無窮動動機の旋律が前奏、間奏の役割を果たし、各部に提示した3つの舞曲の性格を持つロンド風主題 [D] [A] [A] とその対旋律が各部で調性を変えて次々と旋律の綾を組み替えていきます。ニュース
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