解説
この『トリオ・ソナタ ト長調 (BWV1039) 』 はJ.S.バッハのフルートを含む2曲の真作トリオ・ソナタの内の一曲で、緻密な対位法で書かれた優美で繊細な名曲です。この明朗なトリオは緩・急・緩・急の4楽章構成の教会ソナタの様式、楽章配列による作品で、ケーテン時代の1720年頃に書かれたとされています。第1楽章 Adagio, 12/8 は2本のフルートの旋律の綾がとても美しく見事です。第2楽章 Allegro ma non presto, 3/4 は躍動感溢れる16分音符の無窮動楽句です。第3楽章 Adagio e piano, 4/4 [e] は 平行調に移り分散和音による同型反復で終始転調を続け次の楽章に続きます。第4楽章は 2/2 ブーレ舞曲風の無窮動的リズムです。ちなみに、この作品はバッハ自身がそのままの形で 『ヴィオラ・ダ・ガンバのソナタ (BWV1027) 』 に編曲しました。第1フルートをチェンバロ右手 (大譜表上段) 用に、第2フルートをオクターヴ下げてガンバのソロ用に置き換えています。また、この終楽章がオルガン曲にも転用されています。(解説/佐野悦郎)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。