解説
前半のAndantinoの部分は、短いながらも、円熟期のフォーレの作風が見られます。6/8のリズムに乗ってつづられるメランコリックなメロディーは、他の調へ浮遊する感覚を織り込みながら和声の色彩を自在に使い分けて、フォーレ独特の叙情をたたえています。後半のAllegro は、対照的に、明るく生気あふれる部分を形作っています。まず、歯切れのよい主題と急速な音階が交替し、続いて、Andantino のメロディーが回想されます。やがてアルペッジョ伴奏に乗って表情豊かなメロディーが歌われ、フォーレの豊かな表現力が飛翔してゆきます。太陽の恵みを存分に受けたピレネー山麓に生まれ、心底からラテン気質だったフォーレの生きる喜びを感じさせる音楽です。 (1898年作曲、パリ音楽院コンクール課題曲)(解説/三上明子)ニュース
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