解説
別宮貞雄は、旧制高校では理科、東京大学では理学部物理学科に学び(1946年卒業)、理論物理学者を目指す一方、高校時代から池内友次郎に作曲を師事。さらに文学部美学科にも学び(50年卒業)、卒業論文は「ベートーヴェン様式に於けるロマン的なるもの」でした。48年には、歌曲集「淡彩抄」で日本音楽コンクール第1位。その後、作曲を本格的に学ぶためフランスに留学して、パリ音楽院にて、ミヨー、メシアンに師事。「フルート・ソナタ」は1954年に完成し、パリ音楽院作曲科の試験で初演されました。パリの地で管楽器の音色の美しさ、特にフルートの爽やかな音色に魅せられたことが、この曲を書く原動力になっています。全2楽章からなり、細部まで推敲された作品です。第1楽章 Allegro moderato フルートの出だしの印象的な第1主題と付点で下行する音型の第2主題を軸に雅に展開されます。 第2楽章 Vivace 主題が3声部に次々に転調して現れ、その合間に違う楽想が挿まれるにぎやかな展開。古典主義的な構築性の上に、愉悦的な音楽が繰り広げられます。(解説・三上明子)ニュース
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