解説
イタリア初期ロマン派歌劇最大の作曲家、G..ロッシーニ (1792-1868) の歌劇 『ウィリアム・テル』 を基に、フランスの後期ロマン派を代表するフルーティスト、J.ドゥメルスマン (1833〜1866) により二重奏の接続曲に編曲された作品です。原曲の序曲の中でも特に 《牧歌》 はイングリッシュ・ホルンとフルートとの対話がたいへんに美しく印象的な響きです。これに寄せて、J.ドゥメルスマンが、恐らく、オーボイストである F.Ch.ベルテレミュ (1829-1868) との競作より、この 『牧歌』 をメイン・テーマとして設定し、従って楽器編成がフルート、オーボエ (コールアングレ )とピアノ伴奏のための作品となったのです。しかし、笛吹きたちは一般的に2本のフルートで演奏する機会が多く、これもまた新鮮で華麗な響きを覚えます。曲は、「序曲と歌劇」 の中から次に上げる主題が順に技巧的に変奏され展開します。第1幕、第3場 「ああ、マティルドよ、魂の憧れである女 (ヒト) よ」 に始まり、カデンツァで接続して、序曲、第2部 「嵐」 より、続いて、美しい 「牧歌」。次に第1幕、第5場、幕間の 「行進曲」、そしてルール舞曲 「何と太陽は、四方に輝くばかりに!」 が踊られ、そこに、序曲、第4部 「スイス軍の行進」 が交錯する。静まり再びカデンツァを挿み、華やかに二重奏は幕を閉じます。この夏、何の的を射止めますか?勿論この曲と二人の愛です。(解説/佐野悦郎)ニュース
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