解説
モーツァルトが、父親レオポルドの付き添いなしにはじめて一人で重要な旅行に出たのは1777年10月のことでした。マンハイムに到着した彼は、当地のフルートの名手ヴェンドリングの紹介でオランダ人ドゥ・ジャンの注文で 「フルートのためのやさしい協奏曲3曲と四重奏曲2曲」 を200フロリンで作曲することになりました。(結局、約束は一部しか果たされませんでしたが)「フルート協奏曲ト長調」 はこの機会に作曲されたとされていましたが、今では、オーケストラのオーボエ2本が第2楽章でフルート2本に持ち替えるという、ザルツブルグのオーケストラを想定した形をとっていることから、マンハイム以前に作曲されたという見方がされています。フルートをプリマドンナのように扱っている協奏曲ニ長調と比べて、この曲は、第1楽章から、交響曲のような趣きを持っています。ですから、オーケストラの各パートからも十分に音楽を汲み取って音楽を構成する必要があります。弱音器を付けた弦楽器をバックに奏される第2楽章の描き出す美しさは、深遠なものがあります。第3楽章は、メヌエットで書かれた主題が4度も変奏されて戻ってくる変化のある終曲となっています。(解説/三上明子)ニュース
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