解説
G.ガリボルディ (1833-1905) はイタリアのマチェラータに生まれ、その後生涯の大半をパリを中心に過ごしました。演奏家、教師、オーケストラの指揮者として活躍し、フルート初級者の系統的な美しい練習曲、教則本で知られています。この 『前奏曲の技法』 は後期ロマン派のフルートのヴィルトゥオーゾである、F.ドップラーに捧げられた作品で流麗、華麗な妙技を 《プレリュード集》 と 《カデンツァ集》 にまとめた 『装飾句の技巧練習曲』 です。協奏曲のカデンツァの技術は勿論の事、ドップラー兄弟、G.ジュナンを代表とす る、T.ベームによる楽器大改良以後の後期ロマン派の巨匠達の技巧的な作品を演奏するための高度なテクニックを習得する目的で書かれたものです。各調性ごとに 《プレリュード》 と 《カデンツァ 》が対になって並べられ、4#、5bの長、短調の全60曲から構成されています。フュルステナウの 『練習曲 op.125, op.15, op.107』 にも似ていますが、この 『前奏曲の技法』 の方が技術的に易しく、また独立した 『カデンツァ』 として十分に活用転用できる種々多様な装飾句が盛り込まれており、《協奏曲のカデンツァ》 作成に多くの示唆を与えてくれます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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