解説
典型的な古典ソナタ形式を持つ二重奏曲集[B,Es]です。【第1番】は3楽章構成で書かれ、第1楽章 Allegro 4/4[B]はソナタ形式、第1主題[B]は特徴的な4度連続下行主題をフルートが奏で、直ぐさまクラリネットが模倣し、躍動します。第2主題[F]はクラリネットが穏やかな田園風旋律を奏で、フルートに受け継がれます。展開部はフルートの上行分散和音と音階主題が流れます。第2楽章 Andante poco Adagio 3/4[F]は三部形式。下行音階旋律をフルートが歌い、クラリネットにリレーされます。中間部は冒頭主題が転調を重ねます。第3楽章 Allegretto con moto 6/8[B]はソナタ形式。第1主題[B]はフルートがロンド風主題を軽快に舞い、クラリネットが分散和音で伴奏します。第2主題[F]は飛翔する分散和音動機旋律が大らかに奏でられます。【第2番】は2楽章構成。第1楽章 Allegro brioso 4/4[Es]の第1主題はフルートとクラリネット共にユニゾンで飛躍する付点音符主題が乱舞します。第2主題[B]ではクラリネットが下行半音階的旋律を奏で、フルートが直ぐに模倣します。第2楽章 Alla Polaca 3/4[Es]は構築力があるソナタ形式。第1主題[Es]はポルカ主題がフルートからクラリネットに引き継がれ技巧的旋律に発展します。第2主題[B]は優しい旋律主題が軽快な上行付点音符動機と対話します。悲壮的な第3主題[c]が挿入句であると考えればロンド・ソナタ形式風とも解釈できます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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