解説
ロマン派後期にあたる19世紀中頃、フルートのヴィルトゥオーゾ、フランツ・ドップラー (1821-1883) は4歳年下の弟、カール・ドップラー (1825-1900) と息のあった二重奏の妙技を披露し、ヨーロッパ全土を演奏旅行し大成功を収めました。1853年から約10年間で、そのプログラムのために 《超絶技巧》 の 《2本のフルートとピアノ (Orch) 》 の作品を10数曲完成させ、その多くはショット社より出版されました。フルートの黄金時代に相応しく、流麗華麗な音楽と寸秒の狂いも許されない、アクロバットのアンサンブル妙技は、その当時の多くの人々を魅了しました。しかし、やがてそれらの作品は近代、現代の音楽の潮流に流され、幻の曲となりました。ところが近年、Fr.ドップラー没100周年を境に、『ビヨドー社』 の手により、これらの作品が再版され、再び、多くの笛吹きのもとに届くようになりました。レコード・CDによる全集も録音され、Fr.ドップラーの代名詞である 『ハンガリア田園幻想曲』 が変わりつつあるような気がします。取って変わるのは流麗華麗なアンサンブル 《シンクロナイズド・デュエット》 の数々です。その代表が 『アンダンテとロンド』 です。1st Fl と 2nd Fl が完璧にシンクロナイズドし、呼吸を合わせ、あなた方の息吹によって、再び 蘇る日を待っています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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