解説
原曲はW.A.モーツァルトがオーボエのために書いた唯一の「四重奏曲 ヘ長調KV370 (368b)」で、ミュンヘン滞在中 (1781)、当時のオーボエの名手であるF.ラムのために書かれた傑作です。この楽譜は当時「フルート四重奏曲 ト長調 (Ches N.Simrock 1801)」として編曲出版されたものを基に再編集されたものです。協奏曲の要素を採り入れた3楽章構成で書かれ、芸術的な珠玉の名曲として親しまれています。第1楽章はソナタ形式で書かれ、第1主題は明るく軽やかな上行旋律が心地よく、第2主題は属調の第1主題上に助奏のように舞う旋律が美しく映えます。展開部では主題提示部の動機素材を使用せずに自由に展開され、再現部の第2主題は省略されています。第2楽章は最後にカデンツァを持つ叙情楽章で、言わば「哀愁のアダージョ」です。冒頭主題 [Vn.] は「弦楽四重奏 KV168 (1773)」の第2楽章の主題で、これはJ.ハイドンのフーガ主題を変奏したものです。第3楽章は典型的なロンド形式で書かれ、ロンド主題は明るく楽しげに舞います。各挿入楽句は工夫を凝らした華麗な楽句でロンド主題を引き立てます。ニュース
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