解説
著者は、フルート教本でおなじみのT.ワイとP.モリス。T.ワイについてはここでは省略し、P.モリスについて簡単に紹介する。彼女はフルートをG.ギルバートに学び、ピッコロ専門の奏者としてロイヤル・リヴァプール交響楽団に、そして現在はBBC交響楽団に在籍する。また、ロイヤル・ナザン音楽大学でピッコロのレッスン及びオーケストラ・スタディーのクラスを受け持っている。ピッコロ教本と題されたこの本は非常に親切に書かれた良書である。教材となっている曲はすべてオーケストラスタディーのピッコロパートから成り、その数何と約 250曲、取り上げられた作曲家は52人にも及びます。しかもそれらのすべては巻末に索引として載っているので使い易いことこの上ない。それらの曲はセクションAからセクションHまでの目的別に分けて配列されているので、非常に練習し易く実によく考え抜かれて書かれた本である。目次より大まかにその内容を記すと、▼セクションA 中音域 : 音と音程、音量、低音域 : 音、音程と音色、ヘッドコルクの位置、ヴィブラート▼セクションB アーティキュレーション、様々なタンギング▼セクションC 高音域のチューニング、いわゆるff,ppの演奏、ニュアンス▼セクションD 特別な指使い▼セクションE 装飾音▼セクションF 倍音の指使い、チャイコフスキーの4番▼セクションG ピッコロの二重奏▼セクションH 締めくくり、オーディション、ピッコロの購入、その他のレパートリー、ピッコロを含む室内楽曲、独奏曲のリスト、索引・・・・・というように内容的にもピッコロに関する様々な問題を網羅するものであり程度も高いと思われる。T.ワイのフルート教本との関連付けにおいても配慮されており、フルートとの関連においてピッコロを考える事が出来るのもこの本の良い点であろう。(解説/高久 進)ニュース
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