解説
我が国では余りにも 『ハンガリア田園幻想曲』 が有名であるがために、ドップラー兄弟の音楽はハンガリーの民族的なイメージから拭い去る事は出来ません。しかし、生涯の生活の糧は父親 (Ob・ポーランド国立歌劇場 ) をはじめ、兄弟 (ハンガリー国立歌劇場・ウィーン宮廷歌劇場) の歌劇場での演奏、指揮、また歌劇の作曲にあったのです。フルーティストとしての兄フランツは弟のカールと共に欧州演奏旅行で好評を博し、共演するために、歌劇場で得た多くの題材を基にし二重奏曲を作曲、編曲(競作)したのです。この曲集もそれらの一つで、当時愛唱された有名オペラ・アリアを接続曲(ポプリ)に編曲したもので、言い換えれば 『独・仏・伊・初期ロマン派名歌劇による二重奏接続曲集』 全6巻です。■第1巻 イタリアのロマン派歌劇の開拓者である、G.ドニゼッティ (1797-1848) の歌劇 『連隊の娘』 (2幕、初演1840年) より (全8曲)。■第2巻 歌劇におけるドイツ国民主義の開拓者である、C.M.von ウェーバー (1786-1826) の歌劇 『プレチオーザ』 op.78 (4幕、初演1821年) より (全10曲)。■第3巻 フランス初期ロマン派のオペラ・コミックの大家で あるL-J-F.エロール (1791-1833) の歌劇 『ザンパ』 (3幕、初演1833年) より。■第4巻 フランス初期のロマン派のオペラ・コミックの大家、D.F.E.オーベール (1782-1871) の歌劇『 ポルティチの口亜娘 (マサニェロ) 』( 5幕、初演1828年) より (全13曲)。■第5巻 フランス初期ロマン派のオペラ・コミックの作曲家である、F-A.ボワエルデュー (1775-1834) の歌劇 『白衣の婦人』( 3幕、初演1825年) より (全7曲)。■第6巻 イタリア初期ロマン派歌劇の巨匠、G.ロッシーニ (1792-1868) の代表作、歌劇 『セヴィリャの理髪師』 (2幕4場、初演1816年) より。以上の全6巻から成っている中級用の重要な二重奏教材です。これらの美しい二重奏のお陰で、ドップラー・ファミリーと同様、生涯オペラハウスとの関わりを持てますネ!(解説/佐野悦郎)ニュース
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