解説
この各楽章には具体的標題が付けられていませんが、3つの小品からなる牧歌 (田園歌)、つまり≪3つのパストラール≫と考えます。オーボエとフルートの不思議な響きの綾が奏でる「牧神の笛」です。第1曲 Moderato 4/4はオーボエの現代的な増4、減5度音程の響きを放つ半音階的旋律に、フルートが優しく応答し対旋律を奏でます。第2曲 Allegretto 9/8は中世風の古い民謡を牧童達が悲しげに奏で、軽妙に踊る農民舞曲を思い起こさせます。第3曲 Allegro 6/8は快活に踊る楽しいジーグ風舞曲で、時折、フルートとオーボエが共に下行半音階で滑り降り、主題と主題を結び合わせます。E.ボザは20世紀を代表するフランス現代音楽の作曲家で、管楽器室内楽作品のジャンルを多種多様な楽器編成により手がけ、芸術的な領域から教育教材の分野まで幅広く独創的に生み出しました。ちなみに、この小品は“ (ou flûte) ”の指示があるように「フルート二重奏」としても演奏されます。同タイトルの四重奏の名曲「TROIS PIÈCES [4Fl.]」や、同編成の二重奏曲の「TROIS ÉVOCATIONS [2Fl.]」と混同せぬように仲間入りさせて、共に舞台に上げてください。ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。