解説
ベームはフルートの発明・改良のかたわら、新しい楽器の能力を存分に引き出す作品を生涯にわたって作曲し続けました。当然のことながら、作曲の内容は、その時の楽器の発明を反映しています。 1840年に作曲された「ドイツ民謡による変奏曲」は、ホ長調で作曲された点が画期的と言えましょう。有名な「グランド・ポロネーズ」作品16はニ長調で書かれていますが、以前に作曲された大方の、ベームの作品はニ長調かト長調で作曲されていました。 ドイツ民謡「Du, du liegst mir im Herzen(汝は我が心の中にあり)」は恋人を思う歌で、リズムに乗った軽快な旋律です。8−7−8−8小節で構成されているところがユーモラス。序奏がテーマの単純さに比べて、フルートの表現を大いに引き出すドラマチックな導入となっているので、テーマに移った時の対照が面白いと思います。スタッカートとスラー、トリル、チロル風のヨーデルを織りまぜた5つのヴァリエーションと、あだやかなハ長調のアンダンテの楽章がコンパクトにまとめられています。(解説/三上明子)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。