解説
『ターフェルムジーク(食卓の音楽)』とは、当時、様々な場面で行われた饗宴の際に演奏される音楽のことで、様々な作曲家によって作曲されました。全3集からなるテレマンの作品はその代表的なものです。〈プロデュクシオン〉と呼ばれる各集(巻)はそれぞれ、組曲(序曲)、四重奏曲、協奏曲、三重奏曲、独奏曲、終曲(組曲)の6曲で構成されています。このトリオ・ソナタは「第3集」の三重奏曲で、典型的な教会ソナタ(緩—急−緩−急)様式で書かれています。第1楽章Andante 4/4[D]は和声的に書かれ、2本のフルートが寄り添い、3度進行でロココ風の旋律主題を明るく穏やかに歌います。第2楽章 Allegro 3/4[D]は単純な通奏低音上に、三連符による活発な主題と漸進的なギャロップ風の楽句が交互に現れる軽快な曲です。第3楽章 Largo 6/8[h]は哀愁のシチリアーノ舞曲を2本のフルートが優美に歌います。この曲の最初と最後には2小節ずつの「Grave 4/4装飾楽句」が置かれ前後の楽章との流れを作っています。第4楽章 Vivace 3/8[D]は技巧を駆使したスケルツォで、軽快に、活発に主題を模倣しあい、躍動を続けます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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