解説
ルイエ(レイエ)家はフランドルの音楽家系で、類似した名前が多く混同されることから、活躍した地名を添え、また作品の混同を避けるため[Loeillet de Gant][Loeillet of London][Jacques Loeillet]の主題目録(1952)に通し番号(Priestman I〜XIX)が設けられました。「ロンドンのルイエ」は1705年頃に渡英し、ヘイマーケットのクイーンズ歌劇場木管奏者として活躍し、木管楽器の多数の作品を残しています。Op.1は様々な楽器[Fl./Ob./Vn.]のための《6つのソナタ集[F.G.e.D.c.e](Priestman IX)》として出版され(London, J.Walsh & Joseph Hare, ca.1722-25)、内「第2番と第4番」がトリオ・ソナタです。この第4番は教会ソナタ様式の4楽章構成で書かれ、第1楽章 Largo 2/2[D]は下行分散和音旋律[D]が各声部に荘厳に模倣され、更に模倣展開[e-h-D]されます。中間部は付点音符旋律が優美に舞います。第2楽章 Allegro 2/2[D]は活発な分散和音旋律が躍動し、終始一貫し模倣[A-e-h-D]を重ねます。第3楽章 Grave 3/2[h]は二部形式、清楚なハーモニーが響く中に、悲しい分散和音旋律が流れ、後半は平行調[D]で模倣され、主題が再現します。第4楽章 Allegro 3/8[D]は二部形式、分散和音動機が乱舞し、パスピエ風舞曲の係留音とヘミオラが連続します。後半は主題が模倣変奏され、属調[A]から[h]を経て、主題[D]が再現します。ニュース
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