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武満 徹の晩年の作品で、1992年にオーレル・ニコレが来日した際の5月19日に水戸芸術館で今井信子(Va.)、吉野直子(Hp.)の共演で初演されました。アメリカの女流詩人E.ディキンソン(1830 - 1886)の詩から霊感を得て作曲され、この詩の冒頭「Like Rain it sounded till it curved(雨のような音が、その向きを変えた)」に続く、次の2行目がこの曲題です。その神秘的な印象主義の響きは、2つの増5和音[Des-F-A]と[C-E-Gis]を重ねた上行和音主題が繰り返され、[Des-F-A-F-C-Gis]の旋律が生まれ、次は半音階[Es-D-Cis]が加わり、変容され応答し繰り返されます。旋律はハープの伴奏音形[Des-F-A-Gis-C-E]に変わり、その上に現代特殊奏法を交えて神秘的な主題旋律が流れて次々と変奏されます。後半は明暗の2つの和音、長3和音[C-E-G]と減3和音[Gis-H-D]が重なり[C-G-Gis-H-D-E-C]の旋律が現れ、対話し変容され繋がります。最後は前半主題が回帰し静寂の中へ消えていきます。印象主義の大家ドビュッシー晩年の作品、同編成の「ソナタ」(Fl.Va.Hp.)を喚起させます。武満はこの初演の年に、自らの企画・構成によって始めた現代音楽祭「Music Today」に幕を引き、その数年後に人生の幕を下ろしました。21世紀に向けて世界の音楽の潮流が大きく変化を遂げる時代に突入していきます。ニュース
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