解説
G.ラッボーニ (1800-1856) は19世紀黄金時代の幕開けと同時 (1800) にクレモナに生まれました。後にミラノ音楽院で教鞭を執り、ミラノ・スカラ座の首席奏者として活躍し生涯に70曲程の作品を残しました。誠に残念ながら創作活動期の壮年期にコレラ病に侵され1856年ヴァレンナでその生涯を閉じたのです。この 『四重奏曲 ニ長調』 作品22 (RICORDI / 初版1842年) は5楽章構成で、技巧的で美しく、軽快で爽快な 《イタリア大四重奏曲》 です。取り分け第4楽章のアダージョの装飾楽句は大変に美しく、それは歌劇のコロラトゥーラ・ソプラノのアリアそのものです。また興味深いことに、この 『四重奏曲』 では各パートの随所に [下・第2線a] の音が使われており ( [ ] 内に指定)、これが当時の楽器の名残で、この部分は通常オクターブ上げて演奏します。当時のウィーンの特殊楽器製作者J.Ziegler (ca1792-1852) は1840年に 「足部管g音」 を、S.Kochは1840年頃に 「U型足部管 a音」 の鍵 (Key) を考案し、また同時期に同様にイタリアでも A.グラッシー、R.オルシ ーの両社が 「低音a」 まで出せる楽器を開発しました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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