解説
J.ジョンゲンはベルギーを代表する近代の作曲家で、リエージュ音楽院で作曲、ピアノ、オルガンを学び1897年ローマ大賞を獲得し、その後更に欧州各地で研鑽を積み、1911年に母校の音楽院の和声、対位法の教授1921年にはブリュッセル王立音楽院の客員教授に就任、フランス音楽に傾倒し膨大の数の作品を残しました。この 『 エレジー 「哀歌」 Op.114-?3 (1941) 』 は 『ワロン・クリスマス・キャロルによる2つのパラフレーズ Op.114-?1-2 (1940) [3Fl.&A.Fl] 』 と同作品番号(3曲セット)であり、この年末のクリスマス聖誕祭を祝い、翌年の年が明け正月の三日間で書き上げられました。この 『哀歌』 は小品でありながら素晴らしい 「悲歌」 で、美しい響きの内面には 「怒りと悲劇」 が込められ、抑圧された緊張する旋律線がが時折激しく揺れ動き、激動の時代を表現しています。この年 (1940) は第2次世界大戦勃発の翌年であり、ナチスがベルギーに侵攻した年でした。そして、この地、ワローニア地方ではレックス運動 (王政復古) が興りました。平和の願いを 「クリスマス・キャロル」 に、そして大戦の 「悲歌」 を響きに託しています。(解説/佐野悦郎)
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