解説
この『四重奏曲(1991)』は、楽器編成は異なりますが、プーランクの『六重奏曲 [Pf.Fl.Ob.Cl.Bn.Hr.](1932)』を思い起こさせる響きを有するフランス近、現代音楽の作風で書かれた芸術的な演奏会用作品です。第1楽章 Moderato は巧みな楽器編成により曲全体にダマーズ特有の優美な主題がピアノ伴奏によって色彩を変化させながら受け継がれ、またピアノ・ソロと木管三重奏群とのアンサンブルのコントラストが見事です。第2楽章 Allegroは単純明快な音階、リズム動機がオブジェの様に、自由自在に駆けめぐり、それを美しい旋律線が繋ぎ逢わせて行く軽妙なダンス音楽です。第3楽章 AndanteはFl.-Ob.-Clの順に各楽器が特徴的な旋律線主題を描き、徐々に一体化し和声的、対位法的に展開して行きます。Fr.プーランクの『三重奏曲 [Pf. Ob.Bn.](1926)』の美しい響きを喚起させます。第4楽章 Allegro vivaceは木管群とピアノ独奏部との協奏的なダンス音楽で、次々と変化して繰り広げられて行く旋律線と動機の組み合わせはアクロバット・ダンスです。最終コーダは全パートが足並みを揃えて力強く終止します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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