商品について
<収録CD>解説
エリオット・カーターは、若き日にハーヴァード大学でウォルター・ピストンに学び、その後パリでナディア・ブーランジェに3年間学んだ後、ニューヨークに戻りました。彼の作曲の独自性が発揮され出したのは第2次世界大戦後です。複雑な形式とリズム構造と表現の自発性が聴覚の思考の中で混合される高度な書法として結実したのです。 「スクリーヴォ・イン・ヴェント」(1991)はフルート・ソロとしては初めての作品。ロバート・エイトケンに献呈、題名は14世紀イタリアの抒情詩人ペトラルカのソネットに由来します。その詩はユートピアの気ままな雰囲気の夏のそよ風と海を歌った一節から始まります。曲は、フルートのゆっくりと静かなメロディーと、高音の16分音符跳躍音型が交互に出現して、詩の持つ矛盾した内実と呼応しています。全体に4分の4拍子で書かれていますが、ゆったりとした歌と複雑で困難な音型を同じテンポ感の中に活かせたとき、この曲の良さが浮かび上がるのではないでしょうか。5分程の曲ですが高度な内容を含む作品です。(解説/三上明子)ニュース
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