解説
J.L.テュルーは、19世紀にフランスで活躍したフルーティストです。彼は15歳ですでにパリ音楽院で首席となり、1813年にオペラに入団し、1829年母校教授となりました。74歳でパリ音楽院の教授を引退するまで、アンチ・ベーム式フルートを貫き、自身の考案、製作した楽器 (13もの閉鍵を備えている) を使って自作の曲を演奏し続けました。ベームも同じく、楽器考案、製作、作曲、演奏をこなした人物でしたが、このヴァイタリティには驚かされます。グラン・ソロ第13番は、フルートの名人芸を披露するための作品で、全15曲残されたうち、今日でもよく取り上げられる作品です。テュルー60歳の年に、パリ音楽院ホールで自身により初演されています。19世紀パリはオペラが盛んに上演されて、音楽にロマンティックな歌手の表現が多く取り入れられていますが、この曲にも色濃く、劇的な表現が見られます。テュルーの演奏は、テクニック、表現共に完璧で当時の人々を大いに魅了したと伝えられていますが、19世紀パリの音楽空間を垣間見る感じがします。(解説/三上明子)ニュース
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