解説
『フルート四重奏曲 ホ短調』は彼の最も有名な『フルート協奏曲 ホ短調』が原曲(c.1819)であり、その第3ヴァージョン(c.1830)として、4曲セットで書かれた内の1曲です。細部の装飾楽句を除いて、全楽章通して「ホ短調 協奏曲」と全く瓜二つの作品です。これらの『四重奏曲集[a.C.e.A]』は、メルカダンテの友人である同音楽院のフルーティストのP.ボンジョルノ氏に捧げられ、近年G.ZANIBON社から出版され、A.アドリアン氏収録CD『S. Mercadante Quartetti per Flauto [TUDOR / 730]』で紹介されました。第1楽章Allegro maestoso 4/4、ソナタ形式で書かれの悲壮感漂う旋律と力強い躍動を有する第1主題[e]と、流麗で爽快な旋律を持つ第2主題[G]とのコントラストが美しく響きます。第2楽章Largo 2/4、3部形式[G]オペラ作曲の得意とする爽やかで美しいアリアが奏でられます。第3楽章Rondo Russo Allegro vivace scherzando 2/4、躍動感溢れる付点音符と技巧的な3連音符による快活なロシア風ロンドで、爽快にフィナーレを飾ります。(解説/佐野悦郎)ニュース
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