解説
S.バーバー (1910-1981) は今世紀を代表するアメリカの作曲家で、この 『弦楽のためのアダージョ』 が余りに有名であり、彼の代名詞の様な存在です。この楽譜は、この名曲をアルト、バスの特殊楽器を加えたフルート四重奏 (2Fl. AltoFl. BassFl) 用として、原曲に忠実で美しい響きの編曲にしてあります。編曲に無理があったのではと心配なさる方もおられる事でしょうが、実はこの曲はもともと四重奏曲だったのです。この原曲を遡れば、1935年にピュリッツァー奨励金とアメリカ・ローマ大賞を受賞してイタリア留学中に作曲した作品 『弦楽四重奏曲 第1番 ロ短調 作品11』 の第2楽章です。これを作曲家自身が1938年に弦楽オーケストラ用 (弦楽7声部) に編曲して、巨匠トスカニーニによって初演され知られるようになりました。しかし現在では後者の方が余りに有名になってしまったのです。いずれが原曲であろうとも、この叙情溢れる 『アダージョ』 の美しい響きには変わりなく、それはフルート四重奏になっても同様です。(解説/佐野悦郎)ニュース
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