albumこの楽譜は曲集です。 目次を見る
解説
ライネッケのフルート作品としては、ソナタ「ウンディーネ」Op.167、コンチェルト ニ長調 Op.283、バラード Op.288が知られていますが、ここに紹介する「ゆりかごから墓場まで」Op.202は、ピアノ曲からの編曲とは言え、ロマン派の息吹を伝える貴重な作品と言えましょう。1888年にライプツィヒで出版されたピアノ曲「ゆりかごから墓場まで」は、人生の様々なシーンを16曲のタイトルから成る曲集として構成されています。画家でもあり詩人でもあったライネッケらしい詩的な作品集です。師であるメンデルスゾーンとシューマンへの傾倒ぶりが全曲から伝わる内容となっています。出版の翌年、フルート・エチュードで名高いエルネスト・ケーラーが、この曲集から8曲を選んでフルートとピアノ用に編曲して同じ出版社から刊行しました。8曲の内容は次の通りです。@「遊戯と踊り」、A「力強い仕事」、B「美しい五月の夜」、C「婚礼の行列」、D「慰め」、E「誕生日の行進曲」、F「銀の冠をかぶって」、G「夕日」。ピアノ原曲を参照すると、ケーラー自身によるメロディーが加えてあったり(@AE)、フルートの音域に合わせて半音高く移調されたり(D)、工夫されていることがわかります。ピアノ・パートの指使いはライネッケの指示によるものです。この曲集は、ヴァイオリンとピアノ、木管アンサンブル、オーケストラ版にも編曲され、当時大いに親しまれていたようです。(解説/三上明子)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。