解説
チェコの作曲家、インドジフ・フェルトは第二次世界大戦後、プラハ音楽院とプラハ芸術アカデミーで作曲を学びました。卒業作品の「管弦楽のための協奏曲」には、バルトークの影響が見られますが、次第に独自の様式を形成しました。1952年に軍役で軍のオーケストラに所属してヴィオラを弾いていた時に、チェコ・フィルのフルート奏者Hlavsaに出会ったことから、フルート協奏曲の着想が生まれ、1954年に完成させたのが、この作品です。1955年のプラハを訪れたJ.P.ランパルは、指揮者のM.ムンツリンゲル(フルート奏者、音楽学者でもある)の紹介でフェルトに会い、この協奏曲のスコアに目を通して魅せられ、チェコ・フィルとの共演の曲目として決断しました。ランパルの著書「音楽、わが愛」(シンフォニア刊)にも、「プロコフィエフ風の劇的でロマンチックな曲」と記されています。第1楽章Allegro appassionato、20世紀半ばの音楽の潮流を思い起こさせる作風。ソナタ形式により、2つのカデンツァを含む。第2楽章Largo、悲劇的な様相を帯びて始められ、痛切なフルートの旋律がフェルト独特の世界を描いています。第3楽章Allegro vivace、非常に明るく楽しいロンドの合間に民俗的な部分が挿まれて効果を上げています。白熱するスケールの大きな楽章です。ニュース
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