解説
ヴィヴァルディは、司祭、ヴァイオリンの名人、オペラの実業家として活躍し、40年近くヴェネツィアの女子孤児養育院「ピエタ」で少女たちからなる合奏団を指導して著しい成果を上げました。ヴィヴァルディの500曲を超すといわれる協奏曲の多くが「ピエタ」のために書かれたと言われています。現在、ピッコロ協奏曲(RV443〜445)として親しまれている3曲には”Flautino”が指定されているので、F管のソプラニーノ・リコーダーのための作品だったと考えられます。「協奏曲 ハ長調」は、明るくて開放的な第1楽章と第3楽章において、トゥッティが奏する最初の主題が違う調で反復され、最後に主調に回帰するリトルネッロ形式を取っています。その間を受け持つソロ・パートは、キレのいい16分音符の分散和音のパッセージが果敢に和声進行して活力ある展開を見せます。それに対して、中間の第2楽章はホ短調でシチリアーナのリズムに乗ってソロが細やかに歌い、対照を際立たせています。全体を通して、当時の演奏水準が相当高かったことが伝わる作品です。(解説/三上明子)ニュース
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