解説
カゼッラはイタリア人ですが、13歳でパリ音楽院に入学し、研鑽を積みました。ルーマニアのエネスコによる 「カンタービレとプレスト」 もそうですが、この曲もパリ音楽院卒業試験用の課題曲として作曲されました。外国人にも実力があれば機会を与える見地に、異民族、異文化の集まるパリの土壌を感じさせます。この曲は、1915年カゼッラが第1次世界大戦のため故国に帰る前年に書かれました。「シシリエンヌ」 は、シシリエンヌ (シチリアーノ) のリズムに乗せて静かに始まる旋律が次第に高まりを見せ、南国イタリアの官能的な趣を感じさせます。カセルラのよく響くゴージャスな和声と最後に遠くに聞こえる鐘の音が印象的です。「ビュルレスク」 は、道化とか滑稽な感じを持った楽曲のことです。その表題の様に、にぎやかに騒々しく、曲は転調していきます。どこまで行っても、更に興奮の度を高める仕掛けが用意されているのでハラハラしてしまいます。19世紀の盛り上げ方と違って面白い。機知とエネルギーと技巧が揃った方にトライしていただきたいと思います。(解説/三上明子)ニュース
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