解説
ルクレールは、18世紀を代表するヴァイオリンの名手ですが、ヴァイオリニストとして活躍する前は、歌劇場の踊り手と振付師としても活動していました。北イタリアのトリノの劇場と契約していた間に、コレッリ門下のG.S.ソミスに師事してヴァイオリンの技巧を完成させたと言われています。1728年にパリのコンセール・スピリテュエルに10回出演して大成功を収め、ヴァイオリニストとしての名声が広まりました。その同じ年に出版されたのが「ヴァイオリン・ソナタ集 第2巻」です。フルートでも演奏できる曲には冒頭に「ドイツ・フルート(横吹きフルート)でも演奏可能」と記されています。「ソナタ ホ短調」は、緩・急・緩・急の4楽章構成。第1楽章アダージョは、半音階を含む通奏低音の付点リズムがきっちり3小節半毎に7回繰り返される上で、フルートの旋律がその区切りをまたいで紡がれていきます。第2楽章アレグロ・マ・ポコはフルートと通奏低音が対話するように作り、第3楽章サラバンドはト長調に転じ、のびやかな楽章。第4楽章アレグロは、フルートと通奏低音の追いかけの構図で始まり、ホ長調に転じ技巧を尽くして曲を終わります。(解説/三上明子)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。