解説
グリフェスは、ニューヨーク州に生まれ、10代の終わりにピアニストを志してベルリンで学び、一方、フンパーディング、リューファーに作曲を師事しました。帰国後は、ニューヨーク市郊外の高校の音楽教師のかたわらに作曲活動を続け貧困と過労のため30代半ばで夭折しました。彼の作風は、初めドイツ後期ロマン派の影響が強く、その後、フランス印象主義に移行しました。ニューヨークで日本人ダンサーや日本の旋律を知ったことにより東洋的素材を用いた作品も発表しています。「ポエム」 は、死の二年前、1919年にジョルジュ・バレールのフルートとニューヨーク・シンフォニーオーケストラの初演で大成功を飾りました。作風としては東洋的なたたずまいを強くもち、題名どおり、神秘的な雰囲気を感じさせます。構成面もよく考えられ、静的表現からリズム要素を主体とした部分に自然に移行し、再び静寂に戻るように出来ています。表現力の起伏の大きさを問われる作品と言えましょう。最近の報告によると、1979年に発見された自筆譜をめぐってリズム、アーティキュレーション、ディナーミク、テンポなど差異が見受けられるそうです。(解説/三上明子)ニュース
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