解説
テレマンはハンブルクの音楽監督の職務にあり、多忙で国外旅行する機会に恵まれませんでしたが、ブラヴェとその仲間達が(6つの)四重奏曲(Hamburg, 1730/Paris, 1736頃)に大変興味を持ち、1737年9月末に彼をパリに招待してくれました。この滞在期間中(1738)新たに書かれた6曲の「新しい四重奏曲」が、フランス風組曲形式の本質的な「パリ四重奏曲」と考えられます。しかし、「Suites」と書かれているものの、楽譜には前奏曲を除いて具体的な舞曲名がありません。この「四重奏曲 第1番(第7番)ニ長調 TWV 43 : D3」は組曲風の全6曲からなり、第1楽章 Prélude; Vivementは元気溌剌な分散和音動機が主要主題であり、協奏曲風の前奏曲です。第2楽章 Tendrementは弦楽器の潤う和声の中、フルートがサラバンド風の哀歌を美しく奏でます。第3楽章 Viteは活発に躍動する舞曲主題が情熱的に躍ります。第4楽章 Gaimentは優美な舞曲と、中間部の牧歌的舞曲の対比が見事です。第5楽章 Modérémentはメヌエット風の美しい主題が転調を繰り返し、幾度も続きます。第6楽章 Viteは活発なジーグ風の分散和音主題に牽引されて華麗に躍動します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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