解説
プーランクの無伴奏フルートのための「笛吹きが廃墟を鎮める」は、ハ短調4拍子で13小節の短い曲ですが、シンプルな中に深い悲しみを湛えた名匠の作品です。1940年6月にドイツ軍の攻撃により廃墟と化したフランス中部の街、トゥールの人々への鎮魂の想いを表していると考えられます。プーランクの創作するための別荘がトゥール近郊のノワゼにあったので、彼自身、深く心を痛めたことだったでしょう。 プーランクの友人、トゥール在住の美術家マリー=テレーズ・マビーユが編纂した作品集『トゥールの廃墟 1940』に、この曲は収められています。また、この曲には、1942年にポール・ヴァンサン=ヴァレット夫人への献辞が手書きされた楽譜もあり、こちらの楽譜を元にして、チェスター社の出版譜が作られました。 (解説/三上明子)ニュース
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