解説
W.A.モーツァルトが弟子と弾くために1781年に作曲した「2台のピアノのためのソナタ ニ長調 KV448」を、原曲に忠実に編曲した楽譜です。第1楽章はソナタ形式で書かれ、第1主題は生き生きとした分散和音による堂々たる力強い旋律で始まります。第2主題はドルチェの対照的な可愛らしいカノン主題となり、フルートとピアノの三重奏の掛け合いとなります。コーダ主題は7度音程の動機が特徴的な旋律で第3主題とも呼べる性格を持っています。第2楽章はソナタ形式で書かれたギャラント様式の優雅な音楽で、第1主題は明るく清潔な旋律がソロで歌われ、やがてフルートの二重奏となり心地よい伴奏音形に身をゆだねます。第2主題はカノン風に2本のフルートが応答し合い終わりまで美しい響きの空間に包まれ、続く展開部主題は「アダージョ 変ホ長調 KV261(1776)」(Vn. & Orch.)からの転用です。第3楽章はロンド形式(A-B-A-C-B-A)で、再現部のA主題を省略した形で書かれ、ロンド主題は爽快な下行動機で変化を付けながら流れ下ります。間に挟まれる挿入部のB主題はリズミカルで感傷的に歌います。(解説/佐野悦郎)ニュース
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