解説
テュルーは英国に1817年の演奏会、1821年の夏にRoyal Philhamonic Societyのために、そしてパリ音楽院の教授となった1829年に名チェリストのボーラー氏との「二重奏演奏会」のために訪れています。「イギリスの思い出」は1828年にSchott社から【Op.50[2Fl.Pf.]】【Op.51[3Fl.]】の2つの版が出版されていましたから、「想い出」はそれ以前の訪英の際のものです。初訪英の際には酷評をされ、彼にとっては良い想い出ではなかった筈ですが、この曲は「最高の想い出」を思わせ、今も輝いています。第1楽章はシンコペーション、付点音符による力強い「序奏」が一転して、テュルー特有の哀愁の美しい旋律へと変わり展開して行きます。短いカデンツァを経て、第2楽章の主題は「夏の終わりのバラ(庭の千草)」で、旋律が装飾楽句で美しく飾られ、3曲の「技巧的変奏曲」が続きます。第3楽章「我々は世界中を駆けめぐる」の主題が楽しく躍動し、最後は華やかに曲を締め括ります。(解説/佐野悦郎)ニュース
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