解説
Robert Frank Baksa (1938- ) はニューヨーク生まれのハンガリー系アメリカ現代作曲家です。作曲をアリゾナ大学において H. Jonson、R. McBridge 両氏に、バークシャー音楽センターでは L. Foss に師事しました。1962年からニューヨークを拠点に作曲活動を開始し、管弦楽、オペラ、室内楽、他、あらゆるジャンルの作品を発表しその数は500曲に及びます。その中で70曲程の室内楽作品は近年注目され、CD収録されています。取り分け管楽器作品においては各同属楽器、異種楽器による多種多様な室内楽作品を作曲しています。今回ご紹介のフルート室内楽の4曲は1994年から95年にかけて現代的な響きを奏でる教育用シリーズとして書かれました。なぜかそれらには 【お話】 【語り】 に関わる共通の標題が付けられています。4本のソロ・フルートのための 『対話 [4Fl] (1994) 』 は自由な形式で書かれ、全体は5部から構成されています。第1部 = (Sprightly 4/4) は 「快活に」 の意味を持ち、3人 [Fl. 2nd. 3rd. 4th.] が元気に8分音符のリズムを刻み、これに乗って、主役 [1st.Fl] が 「四度累積モティーフ主題」 で陽気に飛び跳ね、続いて各人が分散和音を急速な3連音符で連打し、これをリレー (模倣) します。第2部 = (Very gently 4/4) 「優しく、穏やかに」 意味で、付点音符を伴うゆったりしたメロディー、対旋律が軽やかな伴奏リズムを包みます。第3部 = (Puckish 6/8) 「小妖精の様な、悪戯な」 の意味を持ち、現代風ジーグ舞曲のリズムに技巧的な16分音符の音階が旋回し、リレーします。第4部 = (Quasi recitative) は4人のユニゾンで奇妙な跳躍音程のフレーズを語り、第5部 = 冒頭主題(Sprightly 4/4) に戻り、元気に華やかに曲を閉じます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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