解説
この作品はヘンデルのオーボエ協奏曲ト短調HWV 287として知られてきました。もともと、この曲が初めて知られたのは19世紀半ばに、当時の様式に沿うように校訂された楽譜だったので、余計な指示を取り除く方向で、1865年にドイツ・ヘンデル協会の全集にクリュザンダーによる校訂譜が出版されました。この曲がヘンデルの作品であるかどうか、諸説が次々と出現してきましたが、1993年にドイツ東部の都市ロストックの図書館で発見された、皇太子フリードリッヒ・フォン・ヴュルテンベルクのための楽譜のパート譜から、一挙にこの作品がフルート協奏曲としても演奏されたことが明らかになり、今回の出版の運びとなりました。宮廷で王侯の趣味の楽器にも合うように、写譜者によってソロのパートにオーボエ、フルートと記されたのか、作曲者自身の指示かはわかりませんが、ヘンデルの音楽を楽しめる作品が増えたことは喜ばしいことです。第1楽章Grave付点を多用した歌う楽章。第2楽章シンプルなアレグロ。第3楽章Largo moderato e cantabileサラバンドによる美しい楽章。第4楽章Allegro。(ヘンデルの他の作品と同様、他の曲と同じ素材が各楽章に見られます)(解説/三上明子)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。