解説
ロカテッリはイタリアのベルガモに生まれたヴァイオリンの名人で作曲家でしたが、16歳で故郷を離れ、ローマで修行した後、1729年、最終的にアムステルダムを永住の地と定めて活動の場としました。当時、アムステルダムは豊かな商業都市だったので、当地の出版者と直接コンタクトを取って自分の作品を出版することができました。ロカテッリは宮廷や教会との結びつきを持たずに、定期的な公開演奏会、教える仕事、アマチュア・アンサンブルの指導、自作の出版、ヴァイオリン弦の輸入販売などで経済的な自立を保つことができたのです。 1721年に出版された「コンチェルト・グロッソ集」作品1に続いて、1732年に出版されたのが「フルート・ソナタ集」作品2です。貴族のアマチュア・フルート愛好家を想定して書かれているので、優雅なスタイルで、装飾も厳格に記譜されていて、良い趣味の演奏のスタイルの手本となります。ロカテッリ自身、フルートの演奏にも通じていたと考えられます。第1番ハ長調は、この曲の看板にふさわしく、明るく平明な作品です。フルートの繊細なタンギングを上手に生かした第1楽章。イ短調に転じて豊かな装飾を見せる第2楽章。急速楽章で演奏効果を熟知した第3楽章の3楽章構成です。(解説/三上明子)ニュース
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