解説
P.タファネルは、近代フルート奏法の確立者の一人である事は知られていますが、しかし管楽室内協会(1879)を設立し、20世紀の管楽器室内楽の発展に貢献したことは余り知られてはいません。この管楽室内協会のためには、多くの管楽器室内楽作品が献呈され、それらは現代にまで伝えられています。この『木管五重奏曲』も同様に協会会員のH.レーベルの死(1880)に捧げられた作品で、後期ロマン派の香りと哀愁漂う美しい名曲です。第1楽章Allegro con moto 3/4[g]、ソナタ形式で書かれ第1主題は付点音符の連続で悲しみを誘い込み、対照的に第2主題は鎮魂歌が優美に歌われます。第2楽章Andante 2/4[Es]、3部形式で書かれ、ホルン、続いて再現ではクラリネットが叙情歌を美しく奏でます。第3楽章Vivace 6/8[g]、躍動的な舞曲主題(ジーグ、サルタレロ)が終始一貫して主題を推進し続けフィナーレに相応しいクライマックスを形成し、半音階下降音階を経て、やがて最後の舞曲主題[G]は断片的になり、静寂G.P.後主題ユニゾンで締め括ります。(解説/佐野悦郎)ニュース
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