解説
特殊楽器を含む編成で書かれた芸術的な演奏会用四重奏曲(2003)です。1楽章「僧院の塀の中の鳥」は草木が茂る庭園に鳥たちが遊び戯れ、さえずる様子を描いて、ピッコロが印象的に響きます。2楽章「間奏曲」は和声的に描かれ、穏やかな旋律の流れは神秘的な響きを醸しだし、各パートの旋律と対話し、引き継がれていきます。3楽章「主題と6つの変奏」は8小節の短い民謡的主題が奏でられ、続く第1変奏は穏やかな流れを、第2変奏はメロディが徐々に重なり合い和声的に発展します。第3変奏はピッコロが軽やかにさえずり、トリルと分散和音で華やかに盛り上がります。第4変奏は一旦落ち着き、半音階的な動きがスローワルツ風で、対旋律がシンコペーションで後を追います。第5変奏は急速なギャロップです。第6変奏は変拍子の連続する、リズミカルな楽しい現代舞曲で、最後に「変奏曲主題」を再現します。4楽章「オールモスト・パーフェクトゥリー・ハッピー」は幸せ一杯に各パートが朗々と歌い、幅広い和声的な響きが魅力です。第5楽章「お祭りの私の衣装」は楽しく軽快なダンスで、変拍子が連続し、激しく躍動するリズムは最高潮に達します。(解説/佐野悦郎)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。