解説
トマジは20世紀のフランスにおける管打楽器室内楽作品に新しい音素材(旋法)、響き(和声)を探求した異色の作曲家として知られています。この曲は3部で構成されていますが、全体を通して演奏され、季節感と抒情性に溢れ、自然豊かな感性が鳴り響きます。第1部「鳥の目覚め」は強烈なTuttiの鳥の囀りの前奏から始まり、朝の静寂の中に小鳥たち(Pic./Ob./Cl.)があちこちから「2度(9度)音程」「4度(5度)累積和音」の響きで鳴き、囀り始め、羽ばたき飛び交い、臨場感溢れる情景を描写します。第2部「愛の歌」はサキソフォンとフルートの美しい歌に誘われ、また現代感覚の響きで囀り、飛び交い、鳴き叫びます。第3部「鳥の踊り」は鳴き声が4度累積動機の上下行の連続で、また鳥達が飛び交う様子を急速な上下行する半音階で描写しています。双方の動機がリズミカルに交錯して舞い、終始一貫して躍動的な舞踏会となります。 (解説/佐野悦郎)ニュース
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