解説
チェコのボヘミア人家庭に生まれたベンダは、少年時代、美声を讃えられ、プラハの聖歌隊などで活躍しました。声変わりした後、ヴァイオリンに専念した彼は、クヴァンツに認められて、プロシア皇太子フリードリヒ (のちのフリードリヒ大王) の宮廷楽団に加わり、最終的に宮廷楽団のコンサートマスターにまで昇進した人でした。豊かな歌唱経験を持っていたためか、ベンダがヴァイオリンでアダージョを演奏すると、人々が感動のあまり、涙することがあったと伝えられています。第1楽章アダージョも、美しく味わい深い楽章となっています。素朴に始まる旋律が、転調するたびに、流麗さ、繊細さを増していく様は、音楽で人の心をつかむ術を知っていたベンダならではでしょう。第2楽章アレグロは、躍動感のあふれる楽章。第3楽章ヴィヴァーチェは、3拍子に転じ、無邪気な音の遊びを感じさせます。演奏する喜びを与えてくれる曲だと思います。(解説/三上明子)ニュース
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