解説
アンドレ・カプレは、フランスの作曲家であり、指揮者でもあった人です。ドビュッシーに厚い信頼を寄せられ、彼の管弦楽作品の多くは、カプレによって初演されました。「夢と小さなワルツ」 は、後にアメリカに渡ったフルーティスト、ジョルジュ・バレールに捧げられています。「夢」 は、短いながらも内面的な内容を持っています。ドビュッシーに影響された和声法を使っているので、ピアノ・パートともども、たいへんデリケートな曲となっているのです。最初に出てくるテーマが、夢に行きつ戻りつするように、おぼろに現われてくるところに、この曲の妙味があるように思います。「小さなワルツ」 は、実に粋な曲です。ワルツのテンポで演奏されるのですが、テンポの変更があちこちにあり、全曲を通して、ルバートの連続といった趣があります。このルバートのかけあいを、ピアノパートとうまくやり取りすると、優雅な中にも花火の散るような効果が出てくる訳です。このような曲は、何度も本番の経験を積んでこそ、呼吸がつかめてくるのではないでしょうか。(解説/三上明子)ニュース
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